ひな人形 五月人形の増村人形店

雛人形の由来と、それぞれの段や人形、お道具の意味を解説

新暦・旧暦の上巳の節句で飾る雛人形や道具の由来や意味を紹介しています。
お嬢様の幸せを願うために、是非この理由を思い出ながら飾ってください。

ひな祭りのときに飾る雛人形や道具には、それぞれ立場や意味があることを知っていますか?
たとえば雄雛と雌雛は、お嬢様がよい結婚をするようにという願いが込められているのです。
他の段の雛人形や道具にもそれぞれ意味があるので、以下で紹介します。
雛人形を飾るときには、ぜひそれぞれの人形や道具の意味を思い出してください。

1.雛人形を飾る意味

雛人形を飾るということは、お嬢様の幸せを願うということにつながります。
それは、雛人形に込められている意味があるからです。
以下で、雛人形を飾ることの意味を紹介します。

お嬢様が良い結婚をできるように願う

雛人形が模しているのは、結婚式です。
この結婚式の主役である雄雛と雌雛は、天皇陛下と皇后陛下を表しています。
これには、わが子が天皇陛下と皇后陛下のように幸せな結婚ができるようにという願いが込められているのです。
今でこそ結婚の多様化が進んでいますが、親から子に対する幸せな結婚をして欲しいという願いは不変といえるでしょう。

お嬢様の厄を身代わりとなって引き受ける

雛人形には、身代わりとなって厄を引き受ける効果があるといわれいます。
雛人形のルーツは、人の穢れを紙人形に移して川に流す「川流し」とされているからです。
そのため、雛人形を飾ると、お嬢様が健康に成長するといわれています。

2.雛人形それぞれの段と人形の意味

雛人形は、親王飾りや三段飾りなどさまざまな種類があります。
そのすべての段に設置されている雛人形や道具にはそれぞれ意味があるのです。
以下では、雛人形の種類や道具の意味を紹介します。
それぞれにお嬢様に対する想いが込められていますので、ぜひ覚えておいてください。

雛人形の種類とは?

雛人形には、「衣裳着人形」と「木目込人形」などの作りの種類があります。
「衣裳着人形」とは、一般的な雛人形のことです。
これは、木材や藁を組んで作った胴体に衣装と頭を取り付けて作ります。
このように、伝統的な日本人形の作り方と同じ作りが「衣裳着人形」なのです。

それに対して「木目込人形」は、桐の木を細かく砕いて正麩糊と混ぜて造形した雛人形になります。
「木目込人形」は小さいサイズのものが多いので、雛人形を飾るスペースを取れない人におすすめです。

また、作り方のほかにも、飾り方の種類があります。
たとえば「親王飾り」や「七段飾り」です。
「親王飾り」とは、雄雛と雌雛のみの飾りになります。
数は少ないですが、人形のサイズが大きく非常に凝ったつくりのものが多いです。
「七段飾り」とは、七段から構成された雛人形になります。
雄雛・雌雛・三人官女・五人囃子・随臣・仕丁の15体の人形と嫁入り道具・御輿入れ道具が揃っている飾りなのです。
このほかにも、「三段飾り」や「収納飾り」などが存在します。

雛人形は天皇陛下の結婚式を模したもの

雛人形は、それぞれの段にいる人形ごとに意味があります。
たとえば、一段目は天皇陛下と皇后陛下を表しているなどです。
以下では、それぞれの人形の意味を説明します。

それぞれの人形の意味

一段目:親王/内裏雛

一段目は、男女の雛人形が一対になります。
男女の雛人形は、親王と親王妃をあらわし、天皇陛下と皇后陛下を象徴しているのです。
雄雛・雌雛と呼ぶのが一般的で、並べ方は京雛か関東雛かによって異なります。
向かって右に雄雛が位置する場合は、京雛です。
向かって左に雌雛が位置する場合は、関東雛になります。
地域によって主流の雛人形は異なりますので、前もって夫婦で相談しておきましょう。

二段目:三人官女(さんにんかんじょ)

二段目は、三人官女になります。
三人一組ですべて女性の人形です。
官女は宮中に仕えている女官をあらわし、後宮で皇后や姫の生活管理や雑務をしています。
生活の世話をするとともに、礼儀作法の指導や楽器の演奏などを教えるのも彼女たちの役割です。
三人官女は、幼いころから皇后の世話をしているため、結婚式のサポートも彼女たちの役割でもあります。
そのため、三人官女は銚子・三方・長柄銚子を使ってお酒を注ぐのです。
ちなみに、三人官女の真ん中はお歯黒の女性になります。
これは真ん中の女性が既婚していることを表しているのです。

三段目:五人囃子(ごにんばやし)

三段目は、五人一組の人形です。
この人形を五人囃子といい、結婚式を引き立てる役割を担います。
囃子とは楽器と謡を用いた能楽の一種です。
そのため、五人中四人が楽器で演奏しており、残りの一人が謡役で構成されています。
四人が持っている楽器は太鼓・大鼓・小鼓・笛です。
これらを合わせて四拍子と呼び、謡は右手に扇をもっています。
ちなみに、五人囃子は元服前の少年たちです。
この結婚式は、幼いころから訓練してきた少年たちが囃子を披露する場でもあります。

四段目:随臣(ずいじん)

四段目は随臣になります。
随臣とは二人一組の人形で、呼び方は右大臣と左大臣です。
右大臣と左大臣の役割は、雄雛と雌雛を守護すること。
そのため、右大臣と左大臣は結婚式というめでたい席でも弓矢を持っているのです。
ちなみに、右大臣と左大臣は若者と老人の人形になります。
若者は雄雛側の護衛で、老人は雌雛側の護衛です。
これには、雌雛の近くに若者の男を置かないという配慮があります。

五段目:仕丁(しちょう)

五段目は仕丁です。
仕丁とは徭役(ようえき)の一種で、君主が無償で庶民を働かせることをいいます。
そのため、仕丁は結婚式に出席している中で唯一の庶民です。
雛人形に並んでいる三人一組の仕丁は、掃除道具もしくは外出時の道具を持っています。
掃除道具を持っている場合は、ほうき・ちりとり・熊手です。
外出時の道具を持っている場合は、台傘・靴台・立傘になります。
また、仕丁はそれぞれ表情が異なり、笑い・泣き・怒りをあらしています。
これには、お嬢様が表情豊かに育ちますようにという願いがこめられているのです。

六段目:嫁入道具揃(よめいりどうぐぞろい)

六段目に設置される嫁入り道具とは、たんすや食器、お化粧道具などです。
これは、雌雛が雄雛の家に嫁いだあとの生活に困らないための道具になります。
結納金は雄雛側が用意し、嫁入り道具は結納金を使って雛側の親が用意するものです。

七段目:御輿入れ道具(おこしいれどうぐ)

七段目は、御輿入れ道具になります。
御輿入れ道具とは、天皇陛下などの高貴な人が乗る乗り物です。
雛人形では、お駕籠(かご)や御所車を設置します。
六段目の嫁入道具揃と七段目の御輿入れ道具は、特に置く順番は決められていません。
六段目に御所車を、七段目にお化粧道具を設置しても良いのです。
しかし、六段目の嫁入道具揃と七段目の御輿入れ道具に置くと、調和が取れるとされています。

3.その他お道具の意味

雛人形は、人形や嫁入り道具・御輿入れ道具以外の道具にも意味があります。
たとえば敷かれている赤い布や設置されている餅にも意味があるのです。
以下で、それぞれが設置されている意味を紹介します。

緋毛氈(ひもうせん)

雛人形の下に敷かれている赤い布のことを緋毛氈といいます。
寺院や神社で絨毯代わりに敷かれる事があり、結婚式にも使用されているのです。
赤色の緋毛氈は、こどもが健康的に育つようにという願いが込められています。
これは、赤色には魔よけの効果があるとされているからです。

桜・橘(さくら・たちばな)

桜と橘は植物の一種です。
桜は魔よけや邪気払いの効果があると考えられています。
橘は冬に花が咲くことから、不老長寿の木としてあがめられていました。
この二つの植物も、お嬢さんが健康に育つようにという願いが込められているのです。

菱餅(ひしもち)

菱餅とは、赤・白・緑を重ねた和菓子です。
地域によっては2色から7色の色を重ねています。
この菱餅を飾る理由は、赤・緑・白の色です。
赤は魔よけを・緑は健康を、白は清浄をあらわします。
つまり、菱餅には、お嬢様の「魔を払い」「健康で」「清らかに」育つようにという願いが込められているのです。

4.まとめ

雛人形の由来やそれぞれの意味を紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
雛人形は、お嬢様の健康と幸せを願うための飾りです。
そのために、さまざまな縁起のよい飾りが設置されています。
現在では、多種多様な雛人形が作られていますが、雛人形の意味はほとんどが同じです。
その意味を考えながら、ぜひ雛人形を飾ってください。
そして雛人形とともにお嬢様の幸せを願いましょう。