ひな人形 五月人形の増村人形店

いつまでも輝きを失わない、上質な五月人形を見分けるポイント

失敗しない、後悔しない五月人形の選び方!
本当に良い五月人形を選ぶ基準は意外に知られていないものです。
一生に一度のお買い物です。五月人形の見分け方を知って、賢く楽しく人形選びをしましょう。

五月人形の選び方をご存じでしょうか。
五月人形にはいろいろな種類がありますが、よい五月人形は、熟練した職人がすべて手作業で一つ一つの工程を経て、時間を掛けなければ出来ない伝統工芸品です。
しかし、一般の人は鎧兜なんて普段見ることはないと思いますので、良いものかどうかを判断することは難しいです。
そこで、五月人形を選ぶ上でのポイントを解説し、納得されたうえでお選びになれるようにしていきます。

1.良い五月人形とは?

いつまでも輝きを失わない上質な五月人形とは、上質な素材が使われ丁寧に作りこまれており、いつまでも長持ちする五月人形のことです。上質な素材とはどういうものでしょうか。丁寧に作りこまれているとはどこを見て判断すればよいのでしょうか。後悔しない人形選びをしていただけるように、上質な素材と作りについて見分けるポイントをこれから紹介していきます。

2.上質な五月人形を見分けるポイント

兜の頭裏(ずうら)

五月人形と言えば鎧飾りと兜飾りが中心です。鎧兜の良さを知るポイントのひとつは、目に見える表面部分だけを見るのではなく、裏側まで確認してみましょう。裏側には、その鎧兜のこだわりが出るものであり、素材や作りを確認して見分ける方法です。
兜をひっくり返して見てみましょう。頭裏には、通常は布で覆われていますが、皮が貼られているものや刺し子が施されているものがあります。鹿の皮はたいへん固く、頭を守るために適している素材として選ばれています。刺し子も手がかかる作業であり、見えない部分にもごだわりがあります。皮も刺し子も、細かな作業でこだわりがある分、丹念に作りあげられているため丈夫で長持ちするといえます。見えないところの頭裏だけを見ても良く分かります。
購入する前に押さえておきたいポイントの1つです。

鍬形の金属部分

鍬形の素材は特にお手頃価格で軽い兜がアルミで、ずっしりと質感があるのが真鍮です。鍬形の正面に見える部分を面前(つらまえ)と呼び、面前に松葉の模様が刻まれているものと面前がツルンとして模様がないものがあります。松葉模様が刻まれているからいいとか悪いというのはありません。しかし、その松葉模様を機械の形板で打って作っているものと職人の手打ちで制作しているものがあります。見分け方は、職人の手打ちで制作した松葉模様は、鍬形の縁部分を見ると規則正しく整っています。

一方、機械で制作したものは一枚の金属板に松葉模様を打った後切断して鍬形を製作していますので、鍬形の縁部分を見ると松葉模様が半分掛けていたりしており規則正しく整っていません。職人の手打ちの松葉模様のほうが手をかけて高価である分、細工も細やかで端正な美しさを感じます。鍬形には「鍍金(ときん)」されているものがあります。「鍍金」とは「メッキ」のことです。本金鍍金の場合、きらびやかのものだけではなく艶を消したマットな光沢に仕上げているものもあり、手間をかけている分マットな仕上がりの方が高価です。

小札(こざね)

鎧、兜は小札(こざね)といわれる板を威糸と言われる糸で何重にもつなぎ合わせて組み上げます。

小札には金属・革・和紙の三種類があります。

昔の本物は、革や和紙を漆で固めた小片を繋いで造っており、柔軟性があり鉄製鎧より軽く、矢もはじき返す堅さを持つので上級の武士が使っていたようです。

今、よく使われている波打った一枚鉄板の小札は昔の本来の鎧兜とは造り方が違います。
よって、革や和紙を漆で固めた昔ながらのつくりをした鎧兜は、小片を繋いでいくので手間がかかり高価となります。

小札の表面仕様に鍍金(メッキ)・箔押し・漆塗仕様の三種類があります。

【本金箔押し小札】
小札に純金の箔を張った本金箔押し小札は、金属の中で純金がいちばん安定した物質ですから、長年飾っても色の変化が少なく、また、箔を張ってありますのでサビも出ないのが特徴です。
輝きも美しく、長年飾っても重厚さが変わりません。

【本金メッキ小札】
小札に本金鍍金(メッキ)を施したものです。ムラがなく均一に仕上がり、箔押しに比べて手間が掛からない分お手頃価格となります。
ただし、長年飾ると剥げてきたり、色が黒くなってくることがあります。
また、サビ(ろくしょう)がわく心配が多少残ります。
ご予算の許すかぎり箔押・漆塗仕様の鎧・兜をお選びになることをおすすめ致します。

【黒小札】
小札に黒の漆(うるし)を長年飾っても剥げないように何重にも塗り重ねたものです。現存する国宝級の甲冑の多くはこの黒小札になります。
本漆は高価となるため、カシュー漆のものもあります。

【白檀塗り】
鎧兜に一際華麗さを添える透漆である白檀塗りは白檀塗、裾裏白檀塗、総裏白檀塗の3種類あり、その中でも総裏白檀塗は総裏と称され、現在最高級の鎧・兜と誰もが認める仕様です。

小札に金箔を貼り、その上から朱漆を幾重にも重ね塗する加工をします。アメ色の漆塗を施し、これもまたサビ(ろくしょう)を防ぐため、手間のかかっている小札です。

【裾裏白檀塗】
漆を厚く重ね塗りした小札を一番下に使った裾裏白檀塗。

【総裏白檀塗】
さらにすべてに厚塗の小札を贅沢に使ったものを総裏白檀塗と呼び、鎧兜の仕立てでは上位のランクに位置付けされています。

縅糸(おどしいと)

威糸(おどしいと)は、小札(こざね)を繋ぐ紐のことで、鎧・兜は小札を威糸で編み込んで作られています。
縅糸は主に正絹(しょうけん)が使用されており発色がよく綺麗ですが、化学繊維のものより高価となります。
よって、縅糸を「小札」が見えないほど隙間なく詰まった状態に仕上がったものは、高価なうえ細やかに仕上げられているため良品と言えます。
正面から見えないという理由で吹き返しの裏側は縅を省略するものもあります。

鉢は、型に合金を流し込んで作る合金鉢と鉢を形成する鉄板を一枚一枚継いで作る矧ぎ合わせ鉢(はぎあわせばち)があります。

【合金鉢(鋳物鉢)】
鋳物の一体成型の型押しで出来るものです。手間が掛からず簡単に造れるのですが、鋳物を使うため長く飾るとひび割れてくる可能性があります。
鉄板を一枚一枚継いで作るわけではないので、継目の部分は金色で塗った擬似の覆輪(鉄板を継ぐ枠)となっています。

【矧ぎ合わせ鉢】
本式の兜の場合は、かならず合わせ鉢というものを使います。合わせ鉢は、鉄板を一枚一枚継いで作られており、継目部分を本金鍍金(メッキ)された覆輪で止めてあります。鉄板も一枚一枚から手作りのものもあり、何度も打ち曲線を持たせた鉄板を丁寧に貼り合わせ、手作りによる微妙な違いがその後の作業にも僅かな変化をもたらします。そして、緊張感のある作業が続く中、同じものが一つとない作品ができあがります。何枚もの部品を丹念に作りあげられているため丈夫で長く飾っても良いようにできています。

弓矢

弓の本体の材質が木製か樹脂(プラスチック)製かによって価格が変わり、木製の方が高価です。弓の装飾として巻いているものに、ビニールや絹、籐(とう)があり、藤が一番高価となります。また、勝虫と言われる昆虫の王様のトンボをデザインした縁起の良い弓も高価となります。矢羽は、タカやキジ、フクロウ、アヒル、ニワトリ等があり、タカはワシントン条約の規制により手に入らないため高価となります。

屏風(びょうぶ)

屏風は、一般的に金沢箔屏風が多く、その他刺しゅうや手描屏風、また手の込んだラデン細工や高級黒布に高級刺しゅうの最高級屏風等の色々な絵を付けたものがあります。どちらが良いというのは、それぞれ好みがあるので一概には言えないかと思います。
しかし、絵付けの屏風だとそちらに関心がいくことになります。
主役はあくまでも鎧・兜ですので、引き立たせるには絵付けが無い金屏風をオススメします。

飾台は通常の畳よりも流備畳のものをおすすめ致します。光沢のある麦色の畳です。

一般的な飾台は普通のイ草を使用していますので少しずつ変色しますが、流備飾台は高級イ草を天日干ししてありますので将来に渡って色が変わりません。この流備畳は通常の青畳に比べて畳の目幅が長いことから、
龍のひげに見立てて「龍髯(りゅうびん)畳」とも呼ばれ高級素材です。

3.本当に「良い」五月人形とは?

五月人形を選ぶうえで重要なのは品質です。
ただ高価・上質であれば良いというわけではなく、サイズ・予算を考慮のうえ検討することも大切です。
そして、何より息子や孫息子の好みに合ったデザインなどの条件に合い、将来、子供が喜ぶかどうか。
五月人形は男の子の気持ちになって、かっこいい、強そうを基準に選ぶのがポイントです。
男の子は、その五月人形がもつ強さや、カッコよさに引かれます。
子供が好きになってくれ、いつまでも大切にしたくなるものが本当に「良い」五月人形です。

4.まとめ

五月人形をご購入される方々は、大切なお子様への贈り物ですから、やはり良いものを見つけたいと思われるでしょう。
しかし、一般の人は鎧兜なんて普段見ることはないと思いますので、良いものかどうかを判断することは難しいと思います。