ひな人形 五月人形の増村人形店
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大海にそそぐ、一水のように おおらかな成長を願って

流麗さにこだわる鉄の彫刻芸術

鎧兜

京都市山科区。広大な天智天皇陵のすぐたもとに平安住一水の工房はあります。

入ってすぐの踊り場には、金と銀の鍬形が目を引く2体の鎧平飾り。そこには、生まれてきた我が子を思う職人の技と心だけでなく、甲冑師としての誇りもあるように威風堂々としています。

平安住一水の歴史は大正14年、東山連峰の麓である永観寺堂町からはじまりました。四代にわたり受け継がれているのは「手づくり」のこだわりと味わい。手作業ならではの、細部にいたるまでの丁寧な加工は、機械作りではけっしてなし得ない作り手のあたたかみがあります。京甲冑は、実際の甲冑とおなじく多くの部位によって構成されています。甲冑生地をはじめ、塗、金箔押し、縅し、さらに仕上げと一工程ごとに入念に仕上げられているのが特徴です。

 

「甲冑とは伝統工芸の集大成です。組み紐や彫金など、やわらかいものから固いものまで異なる素材をうまくなじませる調和が大切やと思います。戦いの武具というより、祈りをささげる神具として美しく目になじむような流麗さにこだわりたい」と、四代目一水。重厚かつ華麗。磨き上げられた技と、しっかりした時代考証から生み出される作品の評価は高く、その名は広く知られています。

平安住 一水

柔と剛が調和するものづくりを追求

平安住一水

鎧・兜を飾る風習は、武家社会から生まれた日本の文化です。

地位や名誉、威厳の象徴として、さらには子孫繁栄のお守りとして、さまざまな祈りが込められています。時には、神社に奉納されることもあります。

一水の名に込められた思いは、一筋に流れる水のごとく、自然に逆らわず、悠久の大海にそそぐ。また人の道もおなじく、おおらかに送れるようにとの願いがあります。

平安住一水・四代の今村達人(たつひと)さんは、作家名でなく本名。達人というその名は、「何事も人並み以上に達してほしい」との親心から名付けられました。実際に、ものづくりの達人です。「ものづくりに終わりはありません。先代の父は、死ぬ間際まで『今に満足するな、次にはもっといいものつくれ』と言っていました。その言葉がずっと心にあります。代々受け継がれてきた伝統を生かし、より洗練された伝統美をめざしていきたい」と、情熱を語ります。

柔と剛が調和するものづくりを追求

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プロフィール

平安住一水(へいあんいっすい)のあゆみ

昭和43年三代今村勝男の長男として出生。同志社大学卒業後、平成7年第三代平安一水に師事、初代より京甲冑製作の伝統技術習得に努める。平成19年、京甲冑師 第四代平安住 一水襲名。経済産業大臣認定京甲冑伝統工芸士。現在に至るまで、伝統工芸士全国大会を初め、数多くの作品展に出展し高い評価を受ける、京都を代表する甲冑師の一人。