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雛人形の選び方のホント 第伍話 ‐禁色‐

禁色 - 黄櫨染・麴(麹)塵御袍(きんじき・こうろぜん・きくじんのごほう)

表題にある禁色(きんじき)とは、天皇を頂点とした国家体制の確立を目指す中で、下位の者が身に着ける事を禁じられた色、衣服をさします。
青、赤、黄丹、支子、深紫、深緋、深蘇芳そして黄櫨染、麴塵(麹塵)が禁色であり、その中でも黄櫨染は天皇のみが着用を許された絶対禁色。そしてその正確な染色法も一般には知られていませんでした。

櫨の木に含まれる黄色と蘇芳色の赤を掛け合わせた、今で言う黄土色に似た色の生地に天子専用の文様である桐竹鳳凰麒麟文様を織り出した御袍は、現代においても「即位礼正殿の儀」等の皇室における最重要の儀式においても着用されています。

光の当たり具合によって様々な色を楽しませてくれる黄櫨染。
その中でも最たる色は、太陽光に照らされた時のものであると言われており、御殿から出た天皇陛下が太陽の光に照らされ、色の変わり行く黄櫨染を身にまとったその御姿は、人々の目にさぞ神々しく見えたことでしょう。


そしてその黄櫨染と並び、最も難しい染色とされる麹塵(きくじん)。

これも平安時代、天皇だけが着用できた禁色(きんじき)で、こちらも黄櫨染と同じように(それ以上に)、光の当たり具合によって様々に色を変えます。
室内のほのかな明るさでは薄茶色に見えるが、太陽の光の中に立つと、緑が浮いたように映える金色に見える不思議で魅惑的な色。
麹塵色は、紫草の根と椿の灰汁、そして刈安を用いた草木染で出されたが、紫草の根を使った染色は単独でも非常に難しく、さらに刈安を重ねて麹塵色を出すのは極めて高度な技術を要します。

陽光の中で緑から焦茶、金色に変化するこの不思議な装束は、夜の宴席のかがり火にさえも映えて昼と同じ色の変化を見せたと言います。


・・・さて、実はここからがホントの話。

この黄櫨染と麴塵ですが、染色職人、織匠、そして使う正絹によって出る色、柄は様々。

・ ツヤが全くと言っても良い程無いもの・・・(使っている正絹の問題です)
・ 大切な桐竹鳳凰麒麟文様が潰れて何がなんだか判らなくなっているもの・・・(織匠の腕の問題です)
・ 光を当ててもほとんど色が変化しないもの・・・(染色職人の問題です)

それら全てに当てはまる様な粗悪な品でも黄櫨染御袍、麴塵御袍だと言ってしまえばそれまでですが、隣りに並べて実物を比較して頂ければすぐに違いがお解り頂けると思います。


写真は平安雛幸作・黄櫨染のお殿様
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